発達障がいについて

更新日:2023年08月01日

発達障がいの理解のために

平成17年4月1日に発達障害者支援法が施行され、それに基づいた取組がスタートしました。
また、平成28年8月1日には、よりよい支援になるように改正法が施行されました。
この法律は、「発達障がい」のある人が、生まれてから年をとるまで、それぞれのライフステージ(年齢)にあった適切な支援を受けられる体制を整備するとともに、この障がいが広く国民全体に理解されることを目指しています。

発達障がいの原因はまだよくわかっていませんが、現在では脳機能の障がいと考えられていて、小さい頃からその症状が現れています。

また、近年の調査では、発達障がいの特徴をもつ人は稀な存在ではなく、身近にいることがわかっています。 

発達障がいについては、早い時期から周囲の理解が得られ、能力を伸ばすための療育等の必要な支援や環境の調整が行われることが大切です。

「発達障がい」とは

主な発達障がいの特徴

◆自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)は、これまで、自閉症、広汎性発達障がい、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていましたが、2013年のアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5の発表以降、自閉スペクトラム症(ASD;Autism Spectrum Disorder)としてまとめて表現するようになりました。自閉スペクトラム症の人々の状態像は非常に多様であり、「言葉の発達の遅れ」「コミュニケーションの障がい」「対人関係・社会性の障がい」「パターン化した行動、こだわり」などの特徴をもつ障がいです。

◆注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠如・多動症(ADHD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)は、「集中できない(不注意)」「じっとしていられない(多動・多弁)」「考えるよりも先に動く(衝動的な行動)」などを特徴する発達障がいです。

◆限局性学習症(SLD)

限局性学習症(SLD:Specific Learning Disorder)とは、全般的な知的発達に遅れはないのに、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難を示すさまざまな状態をいいます。

◆トゥレット症候群

トゥレット症候群(TS:Tourette's Syndrome)は、多種類の運動チック(突然に起こる素早い運動の繰り返し)と1つ以上の音声チック(運動チックと同様の特徴を持つ発声)が1年以上にわたり続く重症なチック障がいで、このような運動や発声を、本人はそうするつもりがないのに行ってしまうのが特徴です。

◆吃音(症)

吃音(Stuttering)とは、音の繰り返し、ひき伸ばし、言葉を出せずに間があいてしまうなど、一般に「どもる」と言われる話し方の障がいです。幼児・児童期に出始めるタイプ(発達性吃音)がほとんどで、大半は自然に症状が消失したり軽くなったりします。しかし、青年・成人期まで持続したり、青年期から目立つようになる人や、自分の名前が言えなかったり、電話で話せなくて悩む人もいます。

◆その他で見られる特性

【身体の感覚の特徴】
周りの人があまり気が付かないことに気がついたり、苦痛に感じる場合があります。

聴覚  鳴き声や電子音など特定の音が苦手・大きな音が苦手
         突然生じた(ように感じられる)音が苦手
         周囲の雑音など注目すべき音以外が大きく聞こえてしまう
視覚  強い光やチカチカした光が苦手(まぶしさ)
         色や形など特定の苦手なものがある
嗅覚  たばこや香水など特定の苦手なものがある
触覚  チクチクする服などが苦手・人と接触するのが苦痛
味覚  苦手な触感がある・苦手な食べ物がある・苦手な味がある

 

【動作や手先の使い方の特徴】
動きがぎこちない、運動が極端に苦手、手先が不器用 などがあります。

 

下記のリンク先には、大阪府が作成した冊子が掲載されています。

 

発達障がいに早く気づくポイントは(子どもの場合)

社会で生きていくためには、社会性やコミュニケーションが必要となります。発達障がいのある子どもは、それが苦手なため、幼稚園や小学校などの集団に入ると、様々な問題や困難に直面することになります。障がいの特性が理解され、適切なサポートがされないと、学校に行くことがストレスとなり、不登校や引きこもりなどの二次障がいにつながる場合もあります。

発達障がいのある子どもが、社会に適応する力を身につけながら、自分らしく成長できるようにするためには、発達障がいの特性があることに早く気づき、適切な療育(※)につながることが重要です。

※療育=医療や訓練、教育、福祉などを通じて、障がいがあっても社会に適応し自立できるように育成すること。

人との関わり方 一人遊びが多い、一方的でやりとりがしにくい
おとなしすぎる、常に受動的
大人や年上の子、あるいは年下の子とは遊べるが、同級生とは遊べない
コミュニケーション 話は上手で難しいことを知っているが、一方的に話すことが多い
おしゃべりだが、保育士や指導員の指示が伝わりにくい
話を聞かなければならない場面で席を離れてしまうことが多い、聞いていない
イマジネーション・想像性 相手にとって失礼なことや相手が傷つくことをいってしまう
友だちがふざけてやっていることを取り違えて、いじめられたと思ってしまう
集団で何かしている時にボーッとしていたり、ふらふらと歩いていたりする
急な予定変更時に不安や混乱した様子がみられる
注意・集中 一つのことに没頭すると話しかけても聞いていない
落ち着きがない、集中力がない、いつもぼんやりとしている
忘れ物が多い、毎日のことなのに支度や片づけができない
感覚 ざわざわした音に敏感で耳をふさぐ、雷や大きな音が苦手
靴下をいつも脱いでしまう、同じ洋服でないとダメ、手をつなぎたがらない
極端な偏食
揺れている所を極端に怖がる、すき間など狭い空間を好む
運動 姿勢が保ちにくい、床に寝転がることが多い
極端に不器用、絵やひらがなを書く時に筆圧が弱い、食べこぼしが多い
運動の調整が苦手で乱暴に思われてしまう、大きすぎる声を出すことが多い
学習 話が流暢で頭の回転が速いことに比べて、作業が極端に遅い
難しい漢字を読むことができる一方で、簡単なひらがなが書けない
図鑑や本を好んで読むが、作文を書くことは苦手
情緒・感情 極端な怖がり
ささいなことでも注意されるとかっとなりやすい、思い通りにならないとパニックになる
一度感情が高まると、なかなか興奮がおさまらない

 

気になる行動・反応に気づいた場合


発達障がいの特性があることに早く気づき、適切な療育や福祉サービスにつなぐことで、社会に適応する能力を身につけ、様々な能力を伸ばしていくことができるとともに、円滑な日常生活の確保につながります。もし、「うちの子(家族)は発達障がいなのだろうか」など、気になることがあるときは、市の担当窓口等にご相談ください。

 

相談できるところ

まず身近なところで

就学前(0歳から6歳) 子育て応援課 / 通っている保育所・園・幼稚園(通所・通園している場合) / 児童発達支援センター「にじっこ」
学齢期(6歳から18歳) 障がい福祉課 / 子育て応援課 / 教育委員会 指導課 / 教育支援センター
成人期(18歳から) 障がい福祉課

セルフヘルプグループ(自助グループ)を活用する方法もあります。

セルフヘルプグループ(自助グループ)とは?
■共通の悩みがある人の自主的なグループのことです。
■セルフヘルプグループにはいろいろな内容、形態があり、当事者のグループの他にもご家族のグループや、その他関係者を含めたグループもあります。
■同じ悩みや課題を抱える人が集い、自らの感情や体験などを分かち合い、分かり合えるという体験を通して、課題からの回復や悩みに対処する力を得ていこうとするグループです。

◆泉大津市立児童発達支援センター「にじっこ」のホームページはこちら

   https://nijikko2023.com/

◆大阪府内 親の会 と セルフヘルプグループ(自助グループ)のwebページ

  → アクトおおさか 「機関リンク」 https://act-osaka.org/link/

専門機関でのご相談

大阪府発達障がい者支援センター「アクトおおさか」

発達障がいに係る医療機関(大阪府発達障がいの診断等にかかる医療機関ネットワーク)

 

発達障がいに関する情報

 

政府広報ポータルサイト(発達障害に気付くためのポイント・配慮点など)

発達障害情報センターホームページ(発達障害についての情報を提供)

毎年4月2日は、国連の定めた世界自閉症啓発デー

子育て応援課からのご案内

知ってください!発達障がいのこと(子育て応援課作成パンフレット)(PDFファイル:585.6KB)

 

発達障がいの方が受けられる支援やサービスについて

 

発達障がいの方が利用できる支援制度として、ここでは障がい福祉サービス等について紹介します。

障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「障がい者総合支援法」といいます。)に基づく自立支援給付を中心に、障がいの種類をこえた共通のサービスを提供し、地域での自立と安心をサポートしています。

対象者 身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者、発達障がい者、難病患者等

障がい児(障がいのある18歳未満の児童)

対象となるサービス 心身の状況により、次のサービスを利用できます。

障がいの種類・程度によっては受けることができないサービスがありますので、ご注意ください。サービスの詳細については障がい福祉課にお問い合わせください。

1 介護給付(障がい者総合支援法)

サービス名

サービス内容

ホームヘルプ

(居宅介護)

居宅での入浴、排せつ、食事など生活全般の介護

重度訪問介護

重度の肢体不自由の人、行動上困難があって常に介護を必要とする人に対する総合的な介護(外出の際の移動中の介護を含む)

行動援護

知的障がい又は精神障がいのため行動上著しい困難がある方に対する、危険を回避するために必要な援助や外出の際の移動中の介護

同行援護

視覚障がいのため移動に著しい困難がある方に対する、移動に必要な情報の提供や外出の際の移動中の援助

療養介護

医療が必要な方に対する、病院での機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理の下での介護や日常生活上の援助

生活介護

障がい者支援施設などで日中行われる入浴、排せつ食事の介護、創作的活動、生産活動の機会提供などの援助

ショートステイ(短期入所)

介護する方の病気などによって短期間の入所が必要な方に対して、施設で行う入浴、排せつ、食事の介護

重度障がい者等包括支援

介護の必要性が非常に高い方に対する居宅介護その他の包括的な介護

施設入所支援

施設に入所している方に対して行われる入浴、排せつ、食事などの介護

2 訓練等給付(障がい者総合支援法)

サービス名

サービス内容

自立訓練

自立した日常生活や社会生活を営むため、身体機能や生活能力の向上のために必要な訓練の提供

就労移行支援

一般企業等への就労を希望する方に対して、生産活動などの機会の提供を通じて、就労に必要な知識や能力向上のために必要な訓練の提供

就労継続支援

一般企業等での就労が困難な方に対して、就労機会の提供と生産活動などの機会の提供を通じて知識や能力向上のために必要な訓練の提供

就労定着支援

就労移行支援等を利用して通常の事業所に新たに雇用された障がい者の就労の継続を図るための支援を提供

自立生活援助

施設を利用していた障がい者がひとり暮らしを始める際に、自立した日常生活を行うための環境整備を行う

グループホーム(共同生活援助)

共同生活を行う住居での相談や日常生活上の援助

3 障がい児通所支援サービス(児童福祉法)

サービス名

サービス内容

児童発達支援

医療型児童発達支援

障がい児に対する日常生活での基本的な動作の指導、集団生活への適応訓練などの援助

 

居宅訪問型

児童発達支援

重度の障がい等で、通所での支援の利用が困難な障がいのある児童に対して居宅を訪問して発達を支援

放課後等デイサービス

就学している障がい児の生活能力向上のための訓練、放課後の居場所づくりの援助

保育所等訪問支援

保育所等を利用する障がい児の集団生活の適応のために受ける援助

4 自立支援医療(障がい者総合支援法)

種 類

内 容

申請手続

精神通院医療

精神障がいのため、自立支援医療指定の医療機関で外来治療を受けている方は、通院医療費の9割までが公費で支払われます。

なお、自立支援医療指定の処方せん薬局も対象となります。

<主な疾患>

  • 統合失調症
  • うつ病、双極性感情障がいなどの気分障害
  • アルコール・薬物などの精神作用物質による精神障がい
  • 適応障がい、心的外傷後ストレス障がいなどのストレス関連障がい
  • パニック障がい、強迫性障がいなどの不安障がい
  • 摂食障がい
  • 自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症などの発達障がい
  • 知的障がい、認知症などに起因する精神障がい
  • てんかん
    など

障がい福祉課に相談の上、必要書類を提出してください。

自立支援医療は費用の1割が原則として自己負担になりますが、負担が重くなりすぎないようにするため、所得等に応じて負担上限が決められています。

また、本人や家族の所得等により制度の適用を受けることができない場合があります。

この記事に関するお問い合わせ先

障がい福祉課
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