野山に入られる方へ、マダニに注意しましょう!

更新日:2023年08月01日

 春から、秋にかけてマダニが活発化しており、野山などにある草むらへ入るときにはマダニに刺されないような注意が必要です。

 マダニに咬まれると重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や日本紅斑熱などの病気になることがあります。また、つつがむしに咬まれると、つつがむし病になることがあります。

 野外にいる吸血性のマダニとして、大型のマダニ(1~4ミリメートル)、小型のつつがむし(0.5~1ミリメートル前後)などが知られています。これらのマダニに刺されても、痛みやかゆみなどを感じることはありませんが、病原体を保有しているものもあり、マダニに刺されると重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、ツツガムシ病などの感染症にかかる恐れがあります(すべてのダニが病原体を保有しているわけではありません)。

マダニなどに刺されないために・・・

人は、病原体を保有しているマダニに咬まれ、感染します。マダニは家庭内に生息するダニと種類が異なり、山林や草地といったシカやイノシシ、野ウサギなどの野生生物が出没する環境に多く民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道などにも生息しています。

マダニが活発に活動する春から秋にかけては特に注意が必要です。山林や草地などマダニが生息しているような場所に立ち入る際や農作業を行う際には、マダニに咬まれないように以下を参考に対策をとってください。

〇草むらなどに入るときは、長そで、長ズボンを着用し、肌の露出を避けましょう。ナイロン製などの衣服の場合、表面がツルツルしており、ダニが付きにくくなります。

※隙間からマダニなどが入り込まないような服装をこころがけましょう(裾を長靴に入れる、靴下をズボンの上に重ねるようにして履く、手首、足首などの袖口をしぼれる長そで、長ズボンの着用など)。

※靴や服の上から虫除けスプレーをかけることは効果があります。

〇家に入る前に上着や作業着などを脱ぎ、マダニなどを家に持ち込まないようにしましょう。

〇草むらから帰った後は、すぐに入浴し、体にマダニがついていないか確認しましょう。また、頭もしっかり洗いましょう。

〇着終わった衣類は、ナイロン袋などに入れ、すぐに洗濯しましょう。

マダニに咬まれたら・・・

 ダニ類の多くは、長時間(10日以上のこともある)吸血します。吸血中のマダニを無理に取り除こうとすると口器が皮膚の中に残り、化膿することがあるので皮膚科等の医療機関で適切な処置(マダニの除去や消毒など)を受けてください。

マダニに刺されて数日後に、発熱、頭痛、発疹などの症状が出た場合は、医療機関を受診し、医師にマダニに刺されたことを相談しましょう。また山林や草地に立ち入って、1~2週間してから発熱などの症状が出た場合にも、念のため医療機関を受診しましょう。なお受診の際には山林や草地に入ったことを医師に申し出てください。

潜伏期間や症状について

潜伏期間や症状について
感染症名 潜伏期間 症状
重症熱性血小板減少症候群(SFTS) 6日から14日 発熱、食欲低下、おう気、おう吐、腹痛、全身倦怠感など。重症化し死亡することもあります。
日本紅斑熱 2日から8日 発熱、頭痛、発疹、全身倦怠感など
つつがむし病 5日から14日 発熱、赤黒く盛り上がったカサブタ(刺し口)、発しんなど。重症化し、死亡することもあります。

 潜伏期間とは:ダニなどに刺されてから症状がでるまでの期間

※重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、つつがむし病等のダニ媒介感染症は、ウイルスや病原体を保有した動物を吸血したダニの体内でウイルスが増殖、そのダニがヒトを吸血することで感染します。

 もしマダニに刺された後、上記のような症状が出た場合には、念のため、医療機関に受診してください(医療機関の受診の際には、ダニに刺されたと担当医師へ申し出てください)。

<参考>