史跡池上曽根遺跡保存活用計画策定しました(令和3年4月1日)
生まれ変わる池上曽根遺跡!
和泉市池上町、泉大津市曽根町に広がる池上曽根遺跡。今から100年前に和泉市池上町に住んでいた一人の少年の発見がきっかけとなり、弥生時代の集落遺跡ということが広く知られることとなりました。国道26号(旧第2阪和国道)の調査で、南北1.5km、東西0.5kmに広がる大環濠集落だということが明らかになり、昭和51年4月26日には、集落の中心部約115,000平方メートルが国の史跡に指定されました。
指定後には、史跡指定地の約3分の1が整備され、平成13年に史跡公園がオープンし、市民に親しまれる場所となっています。さらなる活用を図っていくために、このたび泉大津市、和泉市が共同で史跡池上曽根遺跡保存活用計画を策定しました。
計画の期間は令和3年度から10年間です。令和8年度は、ちょうど池上曽根遺跡の史跡指定50周年、史跡公園開園25周年という記念の年にあたることから、令和8年度に史跡公園をリニューアルオープンさせ、基本理念である「弥生時代の大いなる営みの記憶を伝え、人びとが集う、憩う、学ぶ、そして育つ 池上曽根遺跡」を実現し、地域の宝として市民が誇れる遺跡としての整備と活用を行うものです。リニューアルに向け、令和3年度に再整備計画を策定したうえで既存施設の修繕等を順次実施していきます。未整備地を多目的広場として整備するとともに、今後はレストスペース等の整備をすすめるなど、市民の憩いの場としてさらなる活用を図れるようにしていきます。
◆目次
第1章 計画策定にあたって
第2章 史跡池上曽根遺跡を取り巻く環境
第3章 史跡池上曽根遺跡の概要と史跡指定
第4章 これまでの整備状況
第5章 史跡の本質的価値と構成要素
第6章 史跡池上曽根遺跡の現状と課題
第7章 基本理念・基本方針 第8章 史跡の保存管理
第9章 史跡の活用
第10章 史跡の整備
第11章 史跡の運営と体制
第12章 実施計画の策定・実施
第13章 経過観察
◆コメント
【史跡池上曽根遺跡保存活用計画策定検討委員会委員長 黒崎直氏】
「池上曽根史跡公園」は2001(平13)年の開園以来、多くの人々に愛され利用されてきました。しかし近年、公開施設の劣化や大型災害の影響などで安全な利用に妨げが生じています。また「少子高齢化」という社会環境の変化などもあって、新たな保存活用計画の策定が求められ、和泉・泉大津両市が事務局となって検討会が立ち上がりました。
会ではまず、遺跡の学術的重要性を整理すると共に、それらを保存活用する上での諸課題を話し合いました。そして全国有数の大規模環濠集落である「池上曽根遺跡」の学術的価値を確実に保存しながら、より判りやすく「弥生時代の大いなる営みの記憶」を伝えるには、「人々が集う、憩う、学ぶ、そして育つ」ことのできる魅力ある「史跡公園」の整備が必要だとの結論に至りました。
具体的には、安心・安全にもとづく展示施設や復元建物などの再整備を提案しています。しかし未整備地にも遺跡は広がっており、集落の一部でもある墓地や水田跡は、未だに地下に埋もれたままです。調査研究の進展によってこれらを解明し、整備する方向性も提示しています。また史跡公園には、市民が憩い、絆を深め、防災にも有用な機能の併設も重要と考えました。
さらに史跡の活用には、周辺にある文化財とのネットワーク構築が有効です。それにより地域への興味も増し理解も深まります。そんな努力が新たな観光資源を生みだし、地域に誇りと魅力を創生するのではないでしょうか。
文化財の保存活用には、地元の人々の協力が不可欠です。今回も熱心にご討議いただきましたが、今後とも一層のご協力をお願いします。計画の実現には、行政の努力が不可欠であるのは言うまでもありません。計画では2026(令8)年の「史跡指定50周年」の節目に、史跡公園のリニューアルオープンが明示しています。コロナ禍など先を見通せない時代ではありますが、和泉・泉大津両市と大阪府の担当部局が今後とも連携を蜜にし、この計画を確実に実行されんことを見守りたいと思います。そして5年後、「池上曽根史跡公園」に賑わいが戻ってくることを期待しています。
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更新日:2023年08月01日