「外国人避難インフルエンサー講座」を9月3日に初開催(令和6年8月16日)

更新日:2024年08月21日

大阪 880 万人訓練に合わせ、泉大津市が地元日本語学校の留学生を対象

言語の壁で情報が得られにくい外国人向けの情報発信を担う「避難インフルエンサー」を育てる講座。
災害情報を正しく理解し、SNSで発信できるようになるための5つのプログラムを実施。

大阪府泉大津市は、大阪880万人訓練の実施日に合わせ、令和6年9月3日(火曜日)午後2時15分から泉大津市にある日本語学校の留学生約30人を対象に、テクスピア大阪(泉大津市旭町22-45)で初の試みである「外国人避難インフルエンサー講座」を開催します。

「自分も助かり、人を助ける」を目標に同施設内に模擬避難所や避難誘導標識を設置し、災害時の命の守り方や避難の仕方、避難所での「衣・食・住」を学びます。講座の終了後は学んだ知識や体験を1人1人が SNS で実際に発信。言語の壁で情報が得られにくい外国人向けに分かりやすく情報を発信する「避難インフルエンサー」としての活躍を目指します。

自分たちでポストに取り付けた避難ステッカーの前で記念撮影をする留学生/ 泉大津駅前 / 2023年9月1日

災害情報を”正しく理解”し、発信できるように。外国人避難インフルエンサー講座5つのプログラム

外国人避難インフルエンサー講座では、災害情報を正しく理解し発信できるよう、5つのプログラムに沿って、災害時の避難に必要な基礎知識を学んでいただきます。

  • 日本の災害について学ぶ/外国人のためのやさしい防災授業/地震や津波について、情報の取り方について
  • 命の守り方を身につける/シェイクアウト訓練/大阪880万人訓練のエリアメールにあわせ、身を守る
  • 避難のしかたを身につける/避難経路確認訓練/避難経路や避難誘導標識を確認しながら避難
  • 避難所の設営や生活を学ぶ/避難所体験会/ベッドやテントの設営、自動ラップ式トイレの講習、災害食の実食
  • 身近なひとに避難を呼びかける/SNSで体験を発信

平成30年6月に株式会社サーベイリサーチセンターが行った災害発生時の外国人来訪者への調査(平成30年大阪北部地震)を見ると、“地震がおさまった後の行動”は「インターネットやSNSで情報を得ようとした」が52.6%、「インターネットやメール、SNSのフェイスブックやライン等で家族や友人と連絡を取り合った」が52.6%と高くなっています。

また、“避難で役立った情報”では、「日本にいる外国人のSNSなどの書き込み」が10.5%と、言葉を理解しやすい情報源として利用された様子がうかがえます。

災害時は偽情報や誤情報も広まりやすくなります。そこで、災害情報を正しく理解するための4つのプログラムとSNSで発信するためのプログラム、併せて5つのプログラムを用意しました。

5年で29.1% 増。着実に増える“身近な隣人”としての外国人

日本に暮らす50人に1人は外国人。泉大津市でもコロナ明けで日本語学校の留学生が急増。令和3年の休校を経て、令和4年7月に100人が泉大津校に入校、現在も93人が在籍しています(10月以降に最大160人になる見込み)。

また、泉大津市の総人口に占める外国人の割合は平成31年3月末の1.8%から令和6年3月末には2.3%に上昇し、直近5年間の外国人の増加率は29.1%と高くなっています。

平成30年の大阪北部地震でも、言語・文化・食事の違いによる外国人への支援が課題となりました。大阪・関西万博の開幕まで1年。着実に増える、身近な隣人を災害弱者にさせないための取り組みは喫緊の課題です。

市民納涼民謡大会に訪れた、日本語学校の外国人留学生 / 東雲公園 / 2023年7月15日

日本語学校と 「包括連携協定」締結。昨年度、外国人のための “防災ガイド” ”避難所体験会“を展開

「外国人避難インフルエンサ―講座」に参加するのは、「ファースト・スタディ日本語学校」大阪泉大津校に所属する留学生約30人。

本市は、同校を経営する株式会社インフィニット・グロースと「社会課題の解決」や「市民サービスの向上」を推進するため、令和5年9月に包括連携協定を締結しました。協定では、防災・減災にも取り組むこととし、昨年度は、「泉大津市外国人のためのやさしい日本語防災ガイド」づくりに取り組みました。

また、昨年9月1日に開催した、外国人支援のための「避難所体験会」にも同校の留学生に参加いただき、「命の守り方」や日本の「避難所」を体験いただきました。

今回は、昨年度開催した「避難所体験会」の内容を拡充。SNSを活用し、母国語で災害情報を発信するプログラムを追加。「自分も助かり、人も助ける」ための講座にリニューアルしました。

昨年度の避難所体験会の様子 / 左 アルミブランケットの使い方 /  2023年9月1日

昨年度の避難所体験会の様子 / 右 避難所用ベッドの体験 / 2023年9月1日

外国出身の人が驚く? 日本の “災害のあたりまえ”

日本語学校と連携した取り組みの中で見えてきたのは、外国出身の人の中には、地震の概念がなく、地面が動くこと自体が理解できない人もいることです。また、日本人なら誰でも知っている、命をまもるための行動「机の下にもぐる」は必ずしも当たり前ではありません。昨年9月に実施した避難所体験会では、大阪880万人訓練の緊急速報メールの着信にあわせ、机の下に隠れるシェイクアウト訓練も実施しましたが、1回目ではうまくできず、2回目を実施することになりました。

また、同体験会で非常食も試食し、人気だったのはハラル認証されたナシゴレン。避難所で配給される水や食料が“無料”であることに驚く声もありました。同学校との連携では、これまで気づかなかった課題に気づく貴重な機会になっています。

昨年度のシェイクアウト訓練の様子 / 2023年9月1日

ハラル認証された非常食 ナシゴレン

名称 外国人避難インフルエンサー講座 / 大阪880万人訓練

日時 9月3日(火曜日)午後2時15分から午後4時まで

場所 テクスピア大阪/4Fファースト・スタディ日本語学校/1F小ホール/泉大津市旭町22-45

タイムスケジュール

午後2時15分 オリエンテーション/4F日本語学校

午後2時20分   外国人のためのやさしい防災授業/4F日本語学校

午後3時03分 大阪880万人訓練緊急メール/シェイクアウト訓練/4F日本学校

午後3時05分 模擬避難所へ避難/4F日本語学校から1F小ホールへ移動

午後3時15分 避難所体験会/1F小ホール

午後3時45分 災害食の試食/SNSで学んだこと体験したことを発信/1F小ホール

会場までのアクセス方法

【電車】南海本線 泉大津駅より徒歩3分

【車でのアクセス】阪神高速4号湾岸線助松出口から約10分

この記事に関するお問い合わせ先

危機管理課
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