泉大津市 「こども防災放送プロジェクト」 始動(令和6年12月11日)
子どもたちが地域防災力を強化へ
泉大津市立浜小学校(校長:西尾光弘、児童数:311人)の5年生が、防災無線放送の課題を解決するために立ち上がります。令和7年1月10日(金曜日)と17日(金曜日)の給食時間(午後0時30分~)に実施される「こども防災放送プロジェクト」は、日頃から防災放送を意識し、緊急時に正しく避難していただくことを目的としています。
【3つの大きな課題】
聞こえない:屋外スピーカーからの放送が屋内で聞こえにくい。
聞いていない:日常生活の中で防災無線放送を意識して聞く習慣がない。
避難しない:防災無線の放送だけでは、避難行動に結びつかない。
【プロジェクトの内容】
校内放送への防災無線割り込み:小学校の校内放送に防災無線を割り込ませる受信機を設置し、屋内でもクリアに聞けるようにします。
子どもたちの声による防災無線放送:市内の67か所の屋外スピーカーから、子どもたちの生の声で防災情報を発信します。
騒音ではなく、“耳を傾けたくなる” 防災放送へ
このプロジェクトは、11月4日の大防災訓練で1つの屋外スピーカーが故障し、鳴らなかったことがきっかけです。この反省を踏まえ防災無線放送の目的と課題を再考しました。
30年前の阪神・淡路大震災では生活インフラが大きな支障を受け、その教訓から本市は平成17年に同報系防災行政無線を整備しました。一方、騒音問題から「定時放送をしない」「訓練や災害時のみ鳴らす」という運用方針としました。その結果、約20年間の平均放送回数は年4~6回。日常的に防災放送に聞き慣れてもらうためには放送回数を増やす必要があります。
しかし、20年前に比べて騒音基準が強化され、住環境への配慮から日々の定時放送を導入するのは難しい状況です。そこで「騒音じゃなく、耳を傾けたくなる防災放送」に浜小学校5年生が取り組みます。
学校内に確実に情報を届け、迅速に避難できるように
防災無線のスピーカーは屋外のみで、休み時間や体育の時間など屋内で夢中になっていると校舎内ではどうしても放送が聞こえにくくなります。市では、どこにいても確実に情報を届けられるよう防災放送を文字や音声でスマホや固定電話に届けるサービスを導入していますが、学校内では有用な対策ではありません。そこで、確実に情報を届け、迅速に避難できるよう、小学校の校内放送に防災無線の割り込み放送をさせる実証実験にも取り組みます。
なお、割り込み放送の実証実験には株式会社アルカディア(代表取締役社長 天白成一)にご協力いただきます。
率先避難で子どもたちが地域の防災リーダーに
浜小学校は津波浸水想定区域にあり、毎年、全校児童が参加する津波避難訓練を実施しています。また、長年、関西大学社会安全学部の城下准教授の指導のもと防災学習に取り組み、地域住民にも津波避難にまつわる「プロジェクションマッピング」や「防災映画」などを披露しています。本件も城下准教授の防災学習の一環として取り組みます。こども防災放送プロジェクトを通じて、避難の大切さを伝えることで、地域防災力の向上を図ります。また「釜石の奇跡」のように、子どもたちが率先して避難行動を取ることを目指しています。
今後の展開
このプロジェクトは実証実験として実施し、結果をもとに、こども防災放送の継続や防災無線の割り込み放送システムの導入を検討します。
スケジュール
12月13日(金曜日)市役所危機管理課で4人の児童が放送の録音。
令和7年1月10日(金曜日) 午後0時30分~ 第1回目放送。
1月17日(金曜日) 午後0時30分~ 第2回目放送。
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更新日:2024年12月12日