職場におけるハラスメントの防止

更新日:2023年11月01日

職場のパワーハラスメントやセクシュアルハラスメント等の様々なハラスメントは、働く人が能力を十分に発揮することの妨げになることはもちろん、個人としての尊厳や人格を不当に傷つける等の人権に関わる許されない行為です。また、企業にとっても、職場秩序の乱れや業務への支障が生じたり、貴重な人材の損失につながり、社会的評価にも悪影響を与えかねない大きな問題です。

事業主も働く人自身も、関わる人たちをお互いに尊重することでハラスメントを防止し、働きやすい職場を作っていきましょう。

 

パワーハラスメント防止対策が事業主の義務となりました

令和元年6月5日に女性の職業生活における活躍の推進等に関する法律等の一部を改正する法律が公布され、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法が改正されました(令和2年6月1日施行)。この改正により、職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となり、中小事業主においても令和4年4月1日から義務化されました。

 

職場におけるパワーハラスメントとは

職場において行われる

1.優越的な関係を背景とした言動であって、

2.業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、

3.労働者の就業環境が害されるもの

であり、上記1~3までの3つの要素を全て満たすものをいいます。

なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。

 

パワーハラスメントの6類型

以下の行為以外でも、上記の3つの要素を満たせばパワーハラスメントに該当する場合があります。

行動類型 具体的行為
1.身体的な攻撃 暴行・障害
2.精神的な攻撃 脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言
3.人間関係からの切り離し 隔離・仲間外し
4.過大な要求 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5.過少な要求 業務上の合理性がなく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事を与えない
6.個の侵害 私的なことに過度に立ち入る

 

 

職場におけるセクシュアルハラスメントとは

労働者の意に反する性的な言動をいいます。

例)デートへの執拗な誘い、胸やお尻を触る、性的な噂を流す、性的関係の強要など

職場におけるセクシュアルハラスメントには「対価型」と「環境型」があります。

対価型セクシュアルハラスメント

セクシュアルハラスメントに抵抗や拒否をしたことで不利益を被ること。

例)上司にホテルに誘われ、断ったら不当に異動させらた。

環境型セクシュアルハラスメント

意に反する性的な言動により就業環境が不快になること。

例)同僚が仕事中に下ネタばかり話すので耐えられない。

 

職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントとは

妊娠、出産、育児休業、介護休業等の制度の利用などに関し、上司や同僚が嫌がらせを行うことです。「マタハラ」とよく言われますが、妊娠だけとは限らず、育児・介護休業等も含まれ、被害者は女性に限りません。

職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントには、「制度等の利用への嫌がらせ型」と「状態への嫌がらせ型」があります。

制度等の利用への嫌がらせ型

育児休業等の制度を利用した(する)ことを理由に嫌がらせをすること。

例)育児休業を取得したいと上司に相談したら、「辞めて」と言われた。

状態への嫌がらせ型

妊娠した労働者に対して嫌がらせをすること。

例)妊娠を報告したら、「忙しいときに妊娠して」と同僚から何度も嫌味を言われた。

 

事業主が雇用管理上講ずべきハラスメント防止措置について

改正された労働施策総合推進法に基づき令和4年4月1日から、中小企業も含めた全事業主は以下のパワーハラスメント防止措置を講じなければなりません。

事業主がハラスメント防止対策で行うべきこと
事業主の方針の明確化及び周知啓発 ハラスメントの内容、あってはならない旨を明確化し、周知すること
行為者には厳正に対処する旨の方針と対処内容を定め、周知すること
相談に応じ、適切に対処するための体制整備 相談窓口を設置し、窓口担当者が適切に対応できるようにすること
あらゆるハラスメントの内容に一元的に対応することが望ましいこと
ハラスメントの事後の迅速かつ適切な対応 事実関係を迅速かつ正確に確認すること
事実確認ができた場合、被害者に対する措置を適正に行うこと
事実確認ができた場合、行為者に対する措置を適正に行うこと
再発防止に向けて措置を講じること
ハラスメントの原因解消のための措置 業務体制の整備など、事業主や妊娠等をした労働者その他の労働者の実情に応じ、必要な措置を講じること(妊娠、出産等のハラスメントのみ)
併せて講ずべき措置 相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること
相談したこと等を理由として不利益扱いをしてはならない旨を定め、周知すること

 

相談窓口

○職場におけるセクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメントに関するご相談

大阪労働局雇用環境・均等部 電話06-6941-8940

○パワーハラスメントに関する相談

大阪労働局 総合労働相談コーナー 電話06-7660-0072

 

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人権くらしの相談課
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