子どもたちの“学び"を保障するために(教育長メッセージ 4月23日)
4月7日、政府から緊急事態宣言が出され、本市の各学校園においても、感染拡大防止と子どもたちの安心・安全のために5月6日まで臨時休校期間としています。これまでは、「子どもが学校に行って、授業を受け、学ぶ」こと自体、誰も疑わない常識でした。しかし、その当たり前だったことが今、ウィルスの脅威によりできなくなっており、子どもたちの学びの確保に向けた対応策を考えていかなければならない状況にあります。この緊急事態の中で、子どもの学びをサポートするためには、学校の教員だけでなく、保護者や地域を含めた全ての大人がそれぞれの立場から考え、民間企業等のあらゆるサービスなど、様々な人やものを複合させながら、いかに子どもの学びを確保し、学びの環境を作っていけるかが喫緊の課題であります。
~学びの環境をどのように作っていくのか~
小学1年生から小学4年生においては、3月から無償で提供していただいている「まなびポケット」のサービスの中にあるICT教材「eboard」(授業風説明動画)などを活用し、家庭で、学習を進めていく環境づくりを進めていきたいと考えています。また、小学5年生から中学3年生においては、3月から企業より家庭学習支援ツール(スタディサプリ)を無償で提供してもらい、子どもたちの学習環境の確保に努めてまいりましたが、今後の見通しが不透明な中、サービスの無償提供が終了する5月以降も子どもたちの学習環境を継続して提供できる仕組みが必要であると考え、このたび小学5年生から中学3年生を対象に本格的に有償で導入することとしました。(3年生は12月まで)。
今回の緊急事態宣言を受け、文部科学省の指針をもとに、府教育庁から、『家庭学習が一定の要件(※)を満たし、学校長が再度指導の必要がないと判断したものについては、学校の再開後等に当該内容を再度対面指導で取り扱わないこととすることができる。
※一定の要件とは
1 教科等の指導計画に照らして適切に位置づくものであること
2 教員が児童生徒の学習状況及び成果を適切に把握することが可能であること
が示されました。3月から臨時休校を延長することで、止まっている子どもたちの学習を進めていくにあたり、今後は、学校が家庭でできうる指導計画を適切に立てた上で、子どもに学習課題を与え、学校の再開後にその学習で身に付いた力を適切に把握しながら、指導内容を計画していくことになります。その際に、このサービスを活用することで、臨時休校中に新たな単元を学習していくための支援になることはもちろんのこと、学校が再開した後も子どもたちの学びを補完したり、子ども自らが学びの定着を確認しながら確実に学力を身に付けていくことの手助けになることも期待しています。この「子ども自らが学びを続けようとする姿勢」は、今年度より小学校において改定された新学習指導要領の中で『主体的に学びに向かう力』として3本の柱の1つに挙げられている資質です。与えられるのを待つのではなく、自分から学ぶ姿勢を持つことで、その学びはより充実したものになります。そういう意味では、今回の臨時休校期間を、子どもたち自身が「学びとは何なのか」を考える時間にしてほしいとも考えております。しかしながら、これは、各家庭にインターネット環境が整っていることも必要となってきます。各学校所有の端末や、市所有の端末の貸し出しを準備していますが、数には限りがあります。今後、政府の提唱する【GIGAスクール構想】に則り、子どもに1人1台タブレット端末を今年度中に準備した上で、学校でも家庭でもインターネットの環境を活用した「個別最適化学習」(それぞれの学習到達度レベルに合わせて選んで学習を進めていく学習方法)を進めていく予定です。この緊急事態を乗り越えるとともに、これからの子どもたちの学びの環境を整えるためにも、ご家庭のご協力をいただけると幸いです。 家庭学習支援ツール等の活用と学校での授業を効果的に融合させながら、子どもたちの学習環境並びに学力の保障を図ってまいりますので、ご家庭のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。 泉大津市教育委員会 教育長 竹内 悟
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更新日:2023年08月01日