令和2年度施政方針
令和2年第1回市議会定例会で、南出市長は令和2年度の市政の基本方針となる施政方針を発表しました。
施政方針
令和2年泉大津市議会第1回定例会の貴重なお時間をいただき、令和2年度の市政運営の基本方針を申し述べる機会をいただきましたことに対し、感謝を申し上げますとともに、議員各位並びに市民の皆様にご理解とご協力を賜りたいと存じます。
【未来のあたりまえを創る】
「子どもから高齢者まで、何歳であっても、何歳になっても、元気に楽しく暮らしたい」「子どもたちの能力を伸ばし、可能性を開花させる教育を受けさせたい」「安心・安全で便利なまちで暮らしたい」「自然とふれあい、感じながら暮らしたい」そうした市民の皆さんの願いは、いつの時代も変わることはありません。私が市長に就任してからの3年間も、その願いに応えるべく邁進してきました。
しかし、このわずか3年の間にも私たちが過去に経験したことのないような困難に遭遇しました。全国的に甚大な自然災害が頻発し、本市において記憶に新しいのは2018年9月4日に襲来した台風第21号です。世界各地でも異常気象が起こり、2019年9月から多発し現在まで続いてきたオーストラリアの森林火災では、10億以上もの尊い動物の生命が失われました。そして現在、新型コロナウイルスが我々の目の前に新たな脅威として現れています。
少子高齢化と2040年問題、加速するグローバル化、進化するAIや第5世代移動通信システム(5G)など、社会の前提や環境が激変し、変革が迫られる明確な課題もあれば、これから先、また別の大きな脅威が現れる可能性は十分にあると考えます。しかし、たとえ困難があったとしても乗り越え、市民の皆さんの幸せな暮らしを守ることが私の最大の使命です。
そのためには、変化しなければなりません。いつの時代も変わらない幸せな暮らしを守るためには、社会の変化に応じて本市にも変化が求められます。
その中で、本市は今、“未来のあたりまえ創り”を進めています。
“未来のあたりまえ”とは人口減少、少子高齢化、進化するIT技術、加速するグローバル化など、社会の変化に対応した新しい行政サービスを創り、それらが私たちの生活の中であたりまえに存在していくことです。そのために、泉大津から日本全国の共通課題の解決モデル事業を官民連携、市民共創で実現することを戦略として、泉大津の優位な立地や特性を生かしたネットワークづくりや、様々な取組みの推進にこの3年間心血を注ぎ育んできました。多様な主体が力を合わせともに協力し合えば、市民の課題解決の選択肢を増やし、泉大津の可能性を最大限発揮することが可能であると強く実感しています。
2025年の大阪・関西万博までの前向きな機運であるまさに今が、これからの時代への対応に必要な変革を起こすチャンスの時期であります。
「構想」から「始動」へ。市民の皆さんの暮らしの中でその存在がなくてはならない“未来のあたりまえ”の実現に向け、令和2年度も、10年先も100年先も持続可能なまちづくりに全身全霊で邁進してまいります。
それでは、令和2年度の主要事業を、「第4次泉大津市総合計画」の基本計画に掲げます7つの政策分野に沿ってご説明いたします。
1点目「力を合わせて市民の笑顔があふれるまちづくり」についてでございます。
増加する外国人観光客。街中にあふれる多言語表記の標識や看板。コンビニエンスストアや飲食店などで日本人と外国人が働いているのを見かけるようになり、日々の暮らしの中でグローバル化の進展を実感します。 市民も民間企業も行政も、こうしたグローバル社会の中で活動していかなければなりません。泉大津のまちがこれからも持続的に成長していくため、“グローバル社会に対応していくための環境”を整備してまいります。
今年度は、アジアNo.1英語教師に選ばれた講師が所属し、海外の有名大学へのグローバル進学や留学をサポートしている民間企業をパートナーに招へいし、2種類のグローバル人財育成事業を実施しています。 令和2年度は、中学生・高校生が海外の大学生とグローバルチームを組み、教わるとは違う、ともに創造していく学びを実践するなどグローバル社会を生き抜く力を育む原体験プログラム 「イングリッシュキャンプ」や、「放課後インターナショナル」を招致し、安価に、泉大津でグローバル体験ができる環境を整備するとともに、年齢や立場に関係なくグローバル化の潮流に触れ、学ぶことができる講座などを開催いたします。
また、昨年度から再始動させました、友好都市グレーター・ジローン市にあるノースジローンセカンダリーカレッジとの中学生交流を引き続き実施し、海外の文化や生活に直接触れることで国際感覚を育成します。
加えて、昨年、本市に日本語学校が開校しました。これまで多くの自治体がまちの活性化のために学校を誘致してきました。それは、多くの若者が継続してまちに集まり、まちを活気づけ、教育だけではなく、防災や地域づくりなどで包括的にまちを活性化させる力があるからです。
開校からわずか数か月で日本語学校は地域コミュニティと関わり、貢献することにも積極的な意欲を示され、様々なかたちの地域・多世代・国際交流が始まっています。令和2年度は、日本語学校とのさらなる連携・協働を通じて、外国人と日本人とが相互に理解を深め、グローバルな視点もまちづくりに活かしながら、ともに発展していく地域づくりをめざします。
2点目「学びあうひとづくり 彩りあるまちづくり」についてでございます。
21世紀から22世紀に向かっていく、現在はまさに明治維新以来150年ぶり、歴史の大きな転換期にあります。そんな予測不能な時代の主役として社会を生き抜くための“多様な学び”と“可能性を引き出す取組み”を推進し、「泉大津で教育を受けて良かった」、「子どもが生まれたらここで教育を受けさせたい」という循環を作ります。令和2年度の重点は“学ぶ環境を整える”です。
まず、夏の暑さ対策だけではなく、災害時の避難所としての使用を考慮し、小学校全8校の体育館にガスを熱源とする自家発電装置付エアコンを整備し、教育環境の向上とともに避難所としての機能も充実させます。
また、GIGAスクール構想の実現に向けた環境整備や児童生徒一人一台端末整備に着手するとともに、個別最適化学習を充実させるため、公立中学校の1年生全員を対象に自学自習アプリを活用した家庭学習の充実と学力の向上に努めます。
さらに、新図書館移転整備については、令和3年7月オープンをめざし、整備工事に着手します。「すべての市民が新しい価値を創造する図書館」という基本コンセプトのもと、閲覧できる本や座席数を現図書館から大幅に増やし、ゆっくりと本を読むことができる空間や、学生などが集中して勉強できるエリア、打合せなどで気軽に利用できるオープンスペースなど、多世代や多様な人材が集える新たなまちづくりの拠点となり得る図書館づくりを進めます。
加えて、中長期的な人材育成の観点から、これまで実施してきたブレインブースト読書教室に加えて、目で捉える力や見たものを脳で処理し体を動かす機能を高めるビジョントレーニングの研修会を実施します。
そして、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、本市のスポーツ活動の振興と活性化を図るため、スポーツに関する全国や国際規模の大会に出場する個人または団体に対し、奨励金を交付する制度を新設します。
3点目「誰もがすこやかにいきいきと暮らせるまちづくり」についてでございます。
少子高齢化の加速、ひとり暮らし世帯の増加、人々の価値観やライフスタイルの多様化。こうした年齢構成や、家族、地域の変化は、これまでの市民生活の安定、健康の確保のための制度が前提としてきた条件を大きく変えるものです。
国の健康医療戦略では「未病の考え方などが重要になる」と「未病」が位置づけられました。将来の自分のために日常生活の中で体の状態の改善・維持に主体的に取り組むことが重要で、すなわち、“自分の健康は自分で守る”というセルフケアの推進の強化を掲げています。 本市で取り組んでいます「あしゆびプロジェクト」は、このような国の新たなコンセプトを実践しており、行政・大学などの研究機関・民間企業・医療関係機関との連携をなお一層推進し、健康寿命の延伸に取り組んでまいります。
はじめに、あしゆびプロジェクトの各分野における取組みについての周知・啓発としまして、幅広く市民を対象に健康教室やイベントなどで足指力測定を行い、足の健康の重要性を伝えてまいります。
また、高齢者の介護予防については、民間企業とも連携し多様な通いの場の創出に取り組むとともに、要介護などの原因となる転倒を予防し、生涯自分の足で歩ける体を維持するためにあしゆびや体幹の機能強化を図る講座の開催、自主サークルへの運動指導士の派遣などを実施し、介護予防を推進します。就学前児童については、モデル園での成果として保護者や関係者から「姿勢が良くなった」「足が速くなった」「体幹がしっかりして、片足バランスが安定してきた」などの声が届いています。今後もあしゆびを使った遊びや体操を日々の保育で行いながら、マットを使ったバランス力や体幹力を高める運動指導を公立全園で進めるとともに、子どもたちの身体能力向上のための環境整備に努めてまいります。
さらに、就学前教育・保育環境の充実のため、遊具の更新、トイレの改修工事など、就学前施設の環境整備を進めます。
加えて、児童虐待予防に向けた施策の充実を図るため、子どもとその家庭、妊産婦を対象に、相談全般とより専門的な相談対応や必要な支援などを行う「子ども家庭総合支援拠点」を設置します。
そして、地域福祉の分野では、8050問題など複合化した生活課題に対応するため、市民生活応援窓口の支援内容の充実を図るとともに、関係機関が連携し、地域づくりを含めた包括的な支援体制の構築に取り組みます。
4点目「安全で心やすらぐまちづくり」についてでございます。
最近の災害・異常気象から改めて思うこと。それは今までの常識が通用しないことです。台風や豪雨はより頻繁に、より強力に、見たこともない進路や範囲で発生し、想像を上回る規模の被害をもたらすようになっています。これらの自然災害に対応するためには、これまで以上に「自助」「共助」「公助」が連携し、“地域ぐるみで防災力の向上”を図っていくことが重要です。
はじめに、災害時の情報伝達については、防災行政無線や昨年10月から導入しましたLINEなども含めたSNSの利活用、「FMいずみおおつ」との連携など多種多様な手段を活用し、市民の皆さんに正確に情報が伝わるよう研究してまいります。
また、コミュニティに根ざした地域防災訓練などを継続的に実施することで、地域防災力のさらなる向上をめざします。
さらに、言語や聴覚に障がいのある方や日本語を話せない方の通報などに対応するため、スマートフォンなどを利用して、緊急通報ができるNET119や多言語通訳サービスを導入します。
加えて、今後発生が懸念される大規模地震に備え、市内にあるため池周辺の被害想定区域調査を実施します。
そして、自然災害によって致命的な被害を負わないだけの「強さ」と、被災後も地域活動や経済活動が可能な限り速やかに回復し、成長を持続できるだけの「しなやかさ」を併せ持った地域・社会づくりを進めるため、国土強靭化について国・大阪府と連携しながら推進してまいります。
5点目「コンパクトで居心地のよいまちづくり」についてでございます。
少子高齢化、人口減少が進み成熟期を迎えた現代において、引き続きあらゆる世代が安心で快適に生活できる環境を整備し、持続可能なまちづくりをめざします。
このような社会情勢を踏まえ、本市の課題解決に向けて、南海電気鉄道株式会社や他の民間企業との官民連携で整備している高架下広場が3月20日にオープンします。ここをさらに官民連携の場として繋げ、市民共創の場として上手く利活用していただくことをめざします。
また、まちが美しくあるために、美化意識の高揚を目的としたゴミ拾いアプリ「ピリカ」を導入したことで、開始から1年5か月が経った1月末現在で、参加者は延べ9,000人を超え、拾われたごみの個数が57万個以上となり、市民・民間企業の自主的な活動や、継続的な清掃活動に繋がっています。引き続き、数値的な効果だけではなく、意識や行動が変化する、多面的に効果が派生するよう取組みを進めてまいります。また、ゴミ拾いイベントのスポーツGOMI拾い大会を通じて、海洋プラスチックごみ問題やポイ捨ての禁止など市民の環境問題に対する意識の醸成を図ります。
さらに、「身近な自然を大切にする、みどり豊かなまち」をめざすため、子どもの誕生を祝して記念となる樹木を交付し、身近なみどりを育てることにより、みどりに対して愛着をもってもらい緑化の推進を図ります。
加えて、今年度策定の公園整備マスタープランに基づき穴師公園の特徴である樹林地を活かし、遊具エリアの大改修を行うとともに、市民会館等跡地における基本設計及び実施設計に着手します。
6点目「誇れる・選ばれる・集えるまちづくり」についてでございます。
経済のグローバル化、慢性的な国内需要不足といった時代の変化に適切に対処し活力に満ちたまちの実現をめざします。2025年に開催される大阪・関西万博では、最先端技術など世界の英知が結集し新たなアイデアを創造・発信、国内外からの投資拡大、交流活性化によるイノベーション創出、地域経済の活性化などが期待され、その相乗効果を発揮する取組みを進めます。
はじめに、シティプロモーションについてです。一昨年本市は、NHKドラマ「まんぷく」の舞台となりました。これを好機ととらえ、ポスターの掲示、市役所での懸垂幕やパネル展の開催などの様々な広報活動を展開しました。また、私自らもNHKに訪問しトップセールスを実施しました。放送初日には、HPへのアクセス数が前日から約7,000件増え、全国の方に「泉大津市」を認知していただきました。また、自治体動画の再生回数は1,000回未満が半数以上といわれる中、あの登美丘高校ダンス部のバブリーダンスを振付したakaneさんが考案した「あしゆびダンス」の動画は、初日だけで約1,500回、数日で約6,000回再生されるなど、「健康寿命日本一へチャレンジするまち」としての認知拡大を日々進めています。
また、市民の手続きの負担軽減、事務処理のスピードアップを図るためのバーチャル市役所総合案内やRPAをはじめとした本市の業務改革の取組みは、「総務省モデル都市」として昨年度は、内閣総理大臣の諮問機関である地方制度調査会の視察団が本市を訪れ、今年度は講演依頼・視察対応が合計22件、北は北海道から南は長崎県まで、全国の自治体関係者が本市を訪れています。
さらに、NHKワールドをはじめとしたテレビ、新聞、雑誌など多数のメディアに幅広い分野で本市が頻繁に取り上げられている状況にあります。
加えて、泉大津フェニックスで行われた夏フェスでは、6日間で100,500人、毛布まつりでは、2日間で5,500人の来場者があり市内外に魅力を発信してきました。令和2年度におきましても、さらに泉大津のブランディングに努め、魅力を発信することで交流人口の増加につなげ、活気あるまちづくりを推進します。
次に、多様化・複雑化する地域のニーズ・課題に対応するため、行政サービスをどう再構築し、地域の将来をどのように描くのかを考える必要があります。
このような社会情勢を踏まえ、市民会館等跡地や南海本線の高架下など市内の様々な場所で、多様な主体が集まり、連携しています。その中心となる課題は、市民一人ひとりの能力、技量、才能を伸ばすとともに、まちの可能性を最大限に引き出すこと。都市ブランドとしての「アビリティタウン」の実現をめざし、市民にとって多様な選択肢を増やすべくリビングラボの取組みを推進します。リビングラボは新技術を最大限に活用し、都市課題の解決や都市機能の効率化に活かそうとする「スマートシティ」を推進するための中核的な役割を果たすものです。大阪府もスマートシティの実現に向けて動きはじめました。本市の取組みは具体的な先行事例として推進してまいります。
さらに、地域にあるものの特色を活かしつつ、さらなる進化をめざして、駅前図書館内に移転予定の特産品直売所が、繊維のまち泉大津が誇る地場産業、民間企業のPR拠点となるよう、産業界とともに整備を進めます。
7点目「健全な行財政と都市経営に基づく市民サービス」についてでございます。
徹底して“ムダ・ムリ・ムラ”をなくし、“市民サービスの維持・向上”を図る。このことにこれまでもこれからも全身全霊で取り組んでまいります。
この3年間で、基金残高は令和元年度2月末現在の見込ではありますが、55億5,609万円となり、約23億円の増加、そのうち財政調整基金残高も25億234万円となり約13億円増える見通しであります。
また、ふるさと納税額についても今年度は4億8,000万円の寄附が見込まれ、この3年間で3倍以上に増やすなど、歳出の抑制と歳入の確保に努めてまいりました。しかし、依然として本市の行財政運営は厳しいものがあります。
本市の一般行政部門の職員数は人口や産業構造が近しい類似団体と比較して約3割少ない状況にあります。また、職員一人当たりの人件費は府内43市町村の中で2番目に低く、府内平均より年間一人当たり約100万円低い状況にあります。他市より圧倒的に限られた人員や財源の中で最大の効果をあげていかなければなりません。
加えて、地方自治体の職員数は平成6年をピークに減少傾向にあり、今後、生産年齢人口の減少によりさらに減少していくことが予想されます。一方で、少子高齢化の進展、多様な価値観を持つ人の増加、大きな自然災害の増加などにより地方自治体の業務は複雑化・多様化していくと考えられます。このため、業務の効率化や人財育成の取組みを推進し、市民サービスを維持・向上させることは待ったなしの課題です。
はじめに、昨年から「官民連携」「市民共創」で実証実験を実施している「バーチャル市役所総合案内」を本格導入します。実証実験では、システム開発は民間企業と職員が、PR動画の製作は市民と職員が、また、より分かりやすく使いやすいものとするためのモニターテストなどは市民と民間企業と職員が、それぞれ連携・共創し改善を進め、既に、そこで出されたアイデアからこれまでなかった新しいサービスや価値も生まれました。これにより市民サービスの向上と業務の効率化の両立を図るとともに、行政サービスのデジタル化実現に向けた第一歩とします。引き続き、市民との丁寧なコミュニケーション、理屈だけで解決できない課題や新しい課題の解決策の検討など人でしかできない業務により職員が注力できる、持続的に行政サービスが提供できる体制の構築をめざして、ICTの活用などによる業務の効率化を推進します。
また、生産年齢人口減少に伴う労働者不足に対応し、本市の行政組織を強靭で持続可能なものとするためには、性別や年齢、国籍などの違いを認め合い、それぞれの能力を活用するダイバーシティの推進が重要です。令和2年度は女性職員にフォーカスし、これまで以上に女性が働きやすく活躍できる組織づくりに向けて、有識者も含めたワーキンググループを設置し検討を行います。また、先般、ベトナム社会主義共和国バリア・ブンタウ省人民委員会とのトップ会談で、人材交流・活用に関する政策協議を行いました。令和2年度中に同省から職員派遣の受入れについて関係各所と調整してまいります。
最後に、市立病院についてです。
人口構造・社会構造が大きく変わる転換期を迎えた日本では、これを支える医療体制の構造転換も課題となっています。その中で“市民の生命と健康を守るため”の大改革に着手します。
国では経営の効率化や再編・ネットワーク化などを求める公立病院改革と将来の医療需要に即した医療提供体制を構築する地域医療構想が進められています。大阪府南部の泉州医療圏では、団塊世代の全員が75歳以上の後期高齢者となる2025年の必要病床数に対して急性期の病床が過剰である一方、回復期の病床が不足しており、病床機能の再編は急務となっています。また、2024年度からは医療従事者の時間外労働に対する上限規制が導入されることに伴い、一層困難になる医師の確保を見据えた機能の集約化も検討する必要があります。
一方、市立病院の経営につきましては、現在の病棟の建て替えに伴う多額の建設費用の負担や全国的な医師不足などの影響により、地方財政健全化法上の資金不足が生じている状況です。
このような状況を勘案し、市立病院の強みであり特徴である母子周産期医療と小児医療について、重複して担う近隣医療機関と統合・集約するとともに、他の医療機能についても整理し、より高度な医療を提供できるようにすることで、子どもを安心して産み育てられる環境と市民の安心・安全につながる医療提供体制の構築をめざします。
この「市民の生命と健康を守るため」の大改革の目的・内容については、分かりやすく丁寧な説明会を開催することで、市民の皆さんの理解を深めてまいります。
また、令和2年度は、新泉大津市立病院整備に係ります基本設計を実施してまいります。
<令和2年度当初予算案について>
令和2年度当初予算案につきましては、
○一般会計 | 302億9,311万円(対前年度比12.0%増) |
○特別会計(国民健康保険事業特別会計 外3特別会計) | 151億2,887万円(対前年度比22.5%減) |
○水道事業会計 | 25億1,966万円(対前年度比14.0%増) |
○下水道事業会計 | 53億7,182万円(公営企業法適用に より皆増) |
○病院事業会計 | 69億7,683万円(対前年度比 2.0%増) |
○全会計合計 | 602億9,029万円(対前年度比 8.4%増) |
でございます。
以上が令和2年度に向けての私の市政運営の基本方針ですが、結びにあたりまして、市民の皆さんに「3つのお願い」があります。それは、あいさつ、ごみ拾い、みどりを増やす運動です。 「人と人のつながりを大切にする」「まちを綺麗にする」「みどりを育む」まちづくりを基本とし、市民の皆さん一人ひとりとともに、小さなアクションを積み重ねていきたく思います。1人の力は微力であっても無力ではない。「一燈照隅 万燈照国」という言葉のように、一人ひとりが持つ力を信じています。 自然との調和、お互い様、おかげ様、利他の心など、日本が古来より紡いできた和の心を、職員、市民の皆さんと大切に共有しながら、令和にふさわしい、ともに、楽しく明るいまちづくりを通じて、元気な泉大津の実現に向けて邁進する所存です。
市民の皆様並びに議員の皆様におかれましては、格段のご支援・ご協力をいただきますよう、心からお願い申し上げまして、私の施政方針と、令和2年度の取組み及び当初予算案についての説明といたします。
令和2年2月25日
泉大津市長 南出 賢一
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更新日:2023年08月01日