第13回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」が決定しました!

更新日:2025年01月06日

   衣服や繊維製品にまつわる思い出、感動したことなどをテーマとしたエッセイで「繊維のまち・泉大津」を広くPRするために創設した「泉大津市オリアム随筆賞」。第13回の受賞作品が、全国から応募のあった324点の作品の中から選考されました。

   選考は、有栖川有栖氏、玉岡かおる氏、吉村萬壱氏、室井滋氏の4氏により行われ、厳正な審査の結果、オリアム随筆賞(最優秀賞)を含む上位6作品、泉大津市民から選出される特別賞「泉大津市長賞」1作品の計7作品の授賞を最終決定いたしました。  

   なお、令和7年3月22日(土曜日)にテクスピア大阪(泉大津市旭町22-45)で受賞者の授賞式と、選考委員をパネリストに迎え、エッセイの書き方や楽しみ方を講演していただく「オリアム随筆(エッセイ)文学フォーラム2025」の開催を予定しています。

※詳細は以下の市ホームページをご覧ください。  

第13回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」 受賞者一覧

選評

番号

  作品タイトル 氏名 住所 年齢
(1)

最優秀賞

(オリアム随筆賞)

クラスメイト

大西 賢

東京都日野市 52
(2) 優秀賞 手縫いのブックカバー 市薗 勢津子 神奈川県横浜市 62

(3)

優秀賞 織りゆく命

浅野 理恵

福島県郡山市 43
(4) 佳作 二枚目のハンカチ 原 稔宏 徳島県阿南市

64

(5) 佳作 織り姫様の唄 須山 恵美 神奈川県横須賀市

33

(6) 佳作 背守りの約束 林 知子 滋賀県大津市 76
(7) 泉大津市長賞(特別賞) 優れもの 倉長 秀至 大阪府泉大津市 82

※年齢は受賞発表(令和7年1月6日)時点のもの         

受賞作品はページ下記のファイルからご覧いただけます。

選考委員による選評

有栖川 有栖 氏

今年も候補作の水準が高く、選考にあたっては大いに迷った。

最優秀賞(1)は、小学生時代の忘れがたい記憶が鮮やかに作品化している。「男子みんなが好き」と言って転校して行ったサオリちゃんの心情を色々と想像してしまった。

優秀賞二編のうち(2)は、手縫いのブックカバーに再生の意味が二重にこめられているのが巧み。(3)は、機織りの音と動きがいきいきと伝わってくるのが心地よかった。

佳作の三作について。(4)は、読む者を素直な気持ちにしてくれるような作品。(5)は、からむし織が家族のドラマに絡んで、このエッセイという織物も生んだように思えた。(6)は大変ドラマティックで、その中心にあるのが背守というのも印象的。

泉大津市長賞も読み応えのある作品が候補に並んだ。その中から選ばれた(7)は、迷いのない力強い筆致で書き抜かれている点に惹かれた。

玉岡 かおる 氏

今年はレベルの高い作品が多く、悩まされた。

最優秀賞となった(1)は、ハンカチなど使う意識のなかった昭和の小学生男子が彷彿とでき、直接書かれてはいない病弱な女子生徒の姿や思いが浮き立つよう。

優秀作の(2)は、淡々としていながら、亡くなった夫の輪郭が浮かび上がるよう。再生されたブックカバーにご自身の今が重なる。

同優秀賞の(3)は、家族性低身長症という聞き慣れぬ病名もさることながら、複雑な遺伝子を織りにたとえた視点が効いた。もし福島での特別な状況が背景にあるなら書いてほしかった。

佳作(4)はハンカチで他の作品と重なったが、感動的なエピソード。

佳作(5).は、織るという体験を独特の音で綴ったオリジナリティが光った。

または佳作(6)は、毛布やセーターなど例年多く書かれるアイテムと一味違う背守りが印象的。年に一度の『第九』を効かせればさらにドラマチックだったかも。

泉大津市長賞(7)は毛布の町・泉大津のよさを余すことなく書けた、感心すべき作品といえるだろう。

吉村 萬壱 氏

今回から室井滋さんが加わって男女比が均等になった。

(1)は、サオリさんがクラスの男子全員を好きというのは少し出来過ぎかと思ったが、他の選考委員の話を聞く内に、病気もあって大人びていたサオリさんの目に、クラスの男子たちが子供っぽく愛おしく見えたのかも知れないと納得がいった。

(2)は、新型コロナによる夫の死を、ウェットに流れがちになるところをよく堪えてドライな筆致で描き切った点が、見事だった。

(3)は、福島のからむし織の縦糸と横糸を父母の遺伝子に喩えることで家族が自分たちの運命を受容していく姿が印象的で、糸の「物語」が生きる力を生んだのだと思った。

(4)は、誰かのために二枚目のハンカチを持つという利他的発想に、(5)は機織りの音が唄であることに、(6)は背守りの存在そのものに、教えられるものがあった。

(7)は作者の人生と毛布との繋がりに、個人的なものを超えた時の重みを感じた。

難波利三さん、長い間有難うございました。

室井 滋 氏

今年初めて、選考委員に加わりました。

拝見していて、随筆を書き慣れた方が多いのにまず驚きました。全体の構成がよく練られ、起承転結もしっかりしていて、とても読み易い。少々意味不明ながら感情が溢れ過ぎて爆発!…なんてぇのはまるでなかった。しかし、正直申し上げて、バランスの整ったものが面白いかというと、かならずしもそうでない所が難しいのかもしれません。

さて、本題に参ります。最優秀賞の(1)は遠い昔の思い出なのに筆者の心模様のテンションが高く、登場人物のキャラクターも印象的でした。

優秀賞(2)は手縫いのブックカバーとの出会いが筆者のその後の心の支えとなる描写にグッときました。

そして(3)も・・・。家族間の¨事件¨から¨解決¨までの道のりを読みつつ、最後には「良かったね」と呟いたものです。

佳作(4)は「一枚目は自分のため、もう一枚は人のため」がステキ。

(5)はファームステイの体験が若々しく生き生きと綴られており、(6)は¨背守り¨にまつわる不思議なお話に引き込まれました。

そして市長賞には(7)がピッタリ!毛布への熱い想いがそのまま泉大津市の大きな誇りに結びつく作品だと思いました。

他にも強く推した作品がいくつもありました。自分の心を原稿用紙に写すことは、素晴らしいと改めて感じた次第であります。

第13回「泉大津市オリアム随筆(エッセイ)賞」受賞作品

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