○泉大津市人権を尊ぶまちづくり条例
平成6年12月21日
条例第29号
すべての国民は、日本国憲法に基づく基本的人権を亨有し、法の下の平等が保障されている。また、世界人権宣言では、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」とうたわれている。
一人ひとりが人間として尊重されるとともに、生きがいをもって生活し、社会参加の機会を平等に得ることができる真に豊かな社会の実現は、私たちすべての願いであり、責務でもある。よって本市においては、人権擁護都市宣言を制定し、人権尊重意識の高揚に努めてきた。
しかし今日、障害者、高齢者、女性、外国人等への差別、また、部落差別などさまざまな差別により今なお人間の尊厳が侵されている。とりわけ、障害者、高齢者が社会参加の機会を得ることにはまだ十分とは言えず、地域社会における連帯によって解決を図ることが重要となっている。
このため、私たち一人ひとりが基本的人権を尊重し、お互いを大切にする心を育み、人権尊重を基調とするあらゆる差別のない明るいまちづくりとすべての人が自らの意思で自由に活動でき、社会に参加できる福祉のまちづくりを進め、もって、すべての人が生きがい、思いやりをもって暮らせる真に心豊かな社会の実現にたゆまぬ努力を傾けることを決意し、市民の総意として、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、日本国憲法及び世界人権宣言の精神にのっとり、市民一人ひとりが人権を尊び、障害者、高齢者、女性、外国人等への差別、また、部落差別など、あらゆる差別をなくすとともに、生きがい、思いやりをもって生活し、社会に参加できる真に心豊かな地域社会の実現に資することを目的とする。
(市の責務)
第2条 市は、行政のすべての分野で人権を尊ぶまちづくりの理念に基づく施策を総合的かつ計画的に推進するよう努めるとともに、必要な施策を積極的に実施するものとする。
(市民の役割)
第3条 市民は、一人ひとりが基本的人権を尊重し、あらゆる差別をなくすための施策に協力するとともに、自らも差別及び差別を温存助長する行為をせず、差別の解消に努めるものとする。
2 前項に定めるもののほか、市民は、お互いを大切にし、深い理解と相互扶助の心をもって、共に生きる社会の実現に積極的に協力するものとする。
(企業・事業者等の役割)
第4条 企業・事業者等は、その事業活動が地域社会に密接に影響を及ぼすことに配慮し、人権の尊重によるあらゆる差別の解消と社会参加及び雇用の促進等に積極的に努めるものとする。
(施策推進の基本方針)
第5条 市は、第1条の目的を達成するための諸施策の実施に当たっては、次に掲げる事項を基本方針とし、その推進に努めるものとする。
(1) すべての市民が1人の人間として尊重されること。
(2) すべての市民が人権の尊重と福祉のまちづくりに積極的に協力する気運を醸成すること。
(3) すべての市民が地域社会の一員である自覚の基に、相互理解と連帯による心豊かな社会の形成を図ること。
(4) すべての市民が自らの意思で活動でき、安心して生活ができる都市環境の形成を図ること。
(啓発活動の充実)
第6条 市は、市民の人権意識の高揚を図るため、学校、家庭、市民組織及び企業・事業者等の密接な連携による啓発活動を充実し、差別を許さない世論の形成及び人権擁護の社会的環境づくりに努めるものとする。
(推進体制の充実)
第7条 市は、人権を尊ぶまちづくりの理念に基づく施策を効果的に推進するため、国、大阪府をはじめ関係機関及び関係団体等との連携を強化するための体制を整備するものとする。
2 市は、前項の施策の推進に当たっては、必要に応じて市民意識の把握を行うとともに、市民等の参加による審議会等推進体制の充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(委任)
第8条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。