○泉大津市議会基本条例
平成26年3月26日
条例第12号
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議員活動(第3条・第4条)
第3章 議会運営(第5条―第8条)
第4章 議会の合意形成(第9条・第10条)
第5章 議会の機能強化(第11条・第12条)
第6章 市民との関係(第13条―第17条)
第7章 市長等との関係(第18条―第25条)
第8章 政治倫理(第26条)
第9章 議員研修(第27条)
第10章 議会事務局(第28条)
第11章 補則(第29条―第31条)
附則
住民にとって最も身近な地方公共団体の自己決定権と責任の範囲が拡大している。したがって、市民の代表機関であり、市の意思決定機関としての議会の位置付けも重要度を増している。
これまで議員個人の活動や情報発信は行われてきたが、議会が一体となったメッセージを発するまでには至っておらず、議会の位置付けが市民全体の理解を得られるまでには至っていないと認識している。また、国政の混乱や不祥事について、一方的な情報を発信し続けるメディアの影響から、地方議会への無関心や、諦めムードが漂い、政治不信に陥り、政治に参加したいという土壌も失われつつあると思われる。
二元代表制の一翼を担う議会は、市長をはじめとする執行機関に対し、対等に議論し、議会と行政が緊張感を維持できるよう、市民の立場に立ち、市民の声を集約し、政策立案能力や判断力の向上を図り、機能を強化することが必要である。
そこで我々は、市民の定義を現在にとどめるだけでなく将来にわたる世代も含めた視点で捉え、「市民のための、市民にわかりやすい、市民に開かれた議会」「二元代表制の役割と機能向上を図る議会」「市民が政治に関心を持ち、新たに政治に参加、挑戦したいと思える議会」の三つの柱から、議会改革の議論を重ねてきた。
泉大津市は、遠い昔より「小津の浦」と土佐日記にも登場する歌人にうたわれた港のあるまちであり、毛布産業を始めとする繊維のまちである。
泉大津市議会は、こうした先人が作り上げてきた悠久の歴史、伝統及び文化を次代に引き継ぎ、市民との信頼関係を高め、未来につながるまちづくりを進めることを改めて決意し、ここにこの条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、泉大津市議会(以下「議会」という。)及び泉大津市議会議員(以下「議員」という。)の責務及びあるべき姿を明らかにするとともに、市民と議会との関係、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)と議会との関係その他の議会に関する基本的事項を定めることにより、議会がその機能を高め、市民福祉の向上及び市政の発展に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 議会は、市長とともに二元代表制の一翼を担っており、その機能を最大限に発揮するために、情報公開と市民参加を原則とし、地方分権時代にふさわしい市民に身近な存在として、市民の負託にこたえるとともに、絶えずその在り方を検証し、改革に努めるものとする。
第2章 議員活動
(議員のあるべき姿)
第3条 議員は、議会を構成する一員として、本会議、委員会その他の会議に出席し、審議、審査等を行うとともに、必要に応じ、議案の提出を行うものとする。
2 議員は、市民の多様な意見を市政に適切に反映させるため、市政の諸課題についての調査研究を行うこととし、必要に応じて市長等に対し、資料の提出や説明を求めることができるものとする。
3 議員は、その活動について市民への広報に努めなければならない。
4 議員は、その資質の向上に向け、不断の研さんに努めなければならない。
(会派)
第4条 議員は、市政に関する基本的な考え方で同一の理念を共有する会派を結成することができる。
2 会派は、政策立案、政策提言及び政策決定に関し、議員間の合意形成を図るよう努めるものとする。
第3章 議会運営
(議会のあるべき姿)
第5条 議会は、透明性及び公正性を確保し、市民に分かりやすく、開かれた議会運営に努めるとともに、説明責任を果たさなければならない。
2 情報の公開の推進については、別に条例の定めるところによる。
(適切かつ効果的な議会運営)
第6条 議会は、その機能を最大限に発揮するため、議案の審議等に当たり、適切かつ効果的な議会運営に努めなければならない。
2 定例会の回数については、別に条例の定めるところによる。
(情報通信技術の積極的活用)
第7条 議会は、議会運営の効率化、迅速化、省資源化等に資するため、情報通信技術を積極的に活用するものとする。
2 情報通信技術の積極的活用については、別に定めるものとする。
(平30条例19・追加)
(定数)
第8条 議会は、議員の定数について、市民の意思を市政に十分反映できるよう、適宜、適切な見直しを行うものとする。
2 議員の定数については、別に条例の定めるところによる。
(平30条例19・旧第7条繰下)
第4章 議会の合意形成
(自由な議論の場の設置)
第9条 議会は、言論の府であることを十分に認識し、議員相互の自由な議論の場を設置すること等により、議員間の意思疎通の円滑化に努めなければならない。
2 議員間討議の詳細については、別に定めるものとする。
(平30条例19・旧第8条繰下、平31条例11・一部改正)
(政策討論会の開催)
第10条 議会は、市政に関する重要な政策及び課題について、議会としての共通認識を持ち、合意形成を得るため、政策討論会を開催することができる。
2 政策討論会の詳細については、別に定めるものとする。
(平30条例19・旧第9条繰下)
第5章 議会の機能強化
(調査機関等の設置)
第11条 議会は、その活動に関して必要があると認めるときは、議決により、学識経験を有する者等で構成する調査又は審査のための機関を置くことができる。
(平30条例19・旧第10条繰下)
(政務活動費)
第12条 会派は、議会の役割及び議員の職務を十分に認識した上で、調査研究その他の活動に資するため、政務活動費の交付を受けることができる。
2 政務活動費の交付については、別に条例の定めるところによる。
(平30条例19・旧第11条繰下)
第6章 市民との関係
(市民と議会の関係)
第13条 議会は、市民の意見を聴く機会を設けるなど、市民が議会の活動に参画する機会の確保を図り、市民の意思を市政に反映することができるよう努めるものとする。
(平30条例19・旧第12条繰下)
(意見交換会の開催)
第14条 議会は、前条の趣旨に基づき、その一環として課題を共有し、解決に向けて意見集約を図れるよう、市民との意見交換会を開催するものとする。
2 意見交換会の詳細については、別に定めるものとする。
(平30条例19・旧第13条繰下)
(請願及び陳情)
第15条 議会は、請願及び陳情を市民による幅広い提案又は意見と位置づけ、適切に処理するものとする。
2 議会は、審議等に必要がある場合は、当該請願及び陳情を行った者の意見を聴く(以下「意見陳述」という。)機会を設けることができるものとする。
3 意見陳述の詳細については、別に定めるものとする。
(平31条例11・追加)
(広報広聴機能の充実)
第16条 議会は、議会に対する市民の多様な意見を常に把握するとともに、議会だよりやインターネット等の多様な媒体を用いて、又は市民に直接呼びかけを行うなど市民への情報提供に努めるものとする。
(平30条例19・旧第14条繰下、平31条例11・旧第15条繰下)
(次世代への取組み)
第17条 議会は、政治参加への環境を整えるため、小中学校への出前講座を開催するとともに、子ども議会等の開催に向けて積極的に関係機関と連携を図り、協力するものとする。
2 出前講座、子ども議会等の詳細については、別に定めるものとする。
(平30条例19・旧第15条繰下、平31条例11・旧第16条繰下)
第7章 市長等との関係
(監視機能の充実)
第18条 議会は、市長等の事務の執行について、調査及び監視をする責務を有する。
2 議会は、会議における審議等を通じ、市民に対し、市長等の事務の執行についての評価を明らかにするものとする。
(平30条例19・旧第16条繰下、平31条例11・旧第17条繰下)
(一問一答方式)
第19条 本会議における一般質問及び委員会における質疑は、論点及び争点を明確にするために、一問一答方式とすることができる。
(平30条例19・旧第17条繰下、平31条例11・旧第18条繰下)
(本会議での反問権の保持)
第20条 市長等は、本会議における議員の一般質問及び質疑に対して、趣旨を確認し、論点を整理する目的に限り、議長の許可を得て反問することができる。
2 反問権の詳細については、別に定めるものとする。
(平30条例19・旧第18条繰下、平31条例11・旧第19条繰下)
(市長による政策等の形成過程の説明)
第21条 議会は、市長が提案する計画、政策、施策、事業等について、それらの必要性を判断するため、及び市民への分かりやすい公開のため、市長に対して背景、経緯、市民参加、総合計画との接点、財源、効果等の説明を求めるものとする。
2 形式、詳細については、別に定めるものとする。
(平30条例19・旧第19条繰下、平31条例11・旧第20条繰下)
(予算及び決算における政策説明資料の作成)
第22条 議会は、予算案及び決算を審査するに当たり、市長に対し施策別又は事業別の分かりやすい政策説明資料の作成に努めるよう求めるものとする。
(平30条例19・旧第20条繰下、平31条例11・旧第21条繰下)
(政策立案及び政策提言)
第23条 議会は、議員提案による条例の制定等あらゆる機会を通じ、積極的に政策立案及び政策提言を行うものとする。
(平30条例19・旧第21条繰下、平31条例11・旧第22条繰下)
(基本的な計画の議決)
第24条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定により他の条例に議会が議決すべき事件と定めのあるものを除くほか、市政の全般又は各分野における政策又は施策の基本的な方向性を定める長期にわたる計画のうち特に重要なものの策定、変更(軽微なものを除く。)及び廃止は、同項の規定による議会の議決すべき事件とする。
(平30条例19・旧第22条繰下、平31条例11・旧第23条繰下)
(災害発生時の議会の対応)
第25条 議会及び議員は、災害による不測の事態が生じたときは、市民の生命及び財産を保護するため市長等と連携し、災害対策の対応に努めるものとする。
2 災害発生時の議会の対応については、別に定めるものとする。
(平30条例19・追加、平31条例11・旧第24条繰下)
第8章 政治倫理
(議員の政治倫理)
第26条 議員は、市民の代表として、良心と責任感をもって、自らの行動を厳しく律するとともに、常に品位の保持に努めなければならない。
(平30条例19・旧第23条繰下、平31条例11・旧第25条繰下)
第9章 議員研修
(平31条例11・追加)
(議員研修)
第27条 議会は、議員の政策形成及び政策立案の能力向上と、議員の資質向上を図るため、議員研修の充実に努めるものとする。
2 議会は、この条例の制定趣旨についての理解を深め、一般選挙後の議員の任期開始後速やかに、この条例に関する確認を議員全員で行うものとする。
(平31条例11・追加)
第10章 議会事務局
(平31条例11・旧第9章繰下)
(議会事務局の機能強化)
第28条 議会は、政策立案機能を高めるため、議会事務局の調査及び法務機能の強化を図るものとする。
(平30条例19・旧第24条繰下、平31条例11・旧第26条繰下)
第11章 補則
(平31条例11・旧第10章繰下)
(この条例の位置付け)
第29条 この条例は、議会に関する基本的な事項を定める条例であり、議会についての他の条例等を制定又は改廃をするときは、この条例の趣旨を十分に尊重しなければならない。
(平30条例19・旧第25条繰下、平31条例11・旧第27条繰下)
(この条例の評価及び検証)
第30条 議会は、議員の任期期間中に、この条例の目的が達成されているかどうかの評価及び検証を行い、その内容を公開しなければならない。
(令4条例10・追加)
(この条例の見直し)
第31条 議会は、社会情勢の変化、市民の意思等を踏まえ、必要に応じてこの条例の見直しを行うものとする。
(平30条例19・旧第26条繰下、平31条例11・旧第28条繰下、令4条例10・旧第30条繰下)
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成26年7月1日から施行する。
附則(平成30年3月26日条例第19号)
この条例は、平成30年4月1日から施行する。
附則(平成31年3月26日条例第11号)
この条例は、平成31年4月1日から施行する。
附則(令和4年3月18日条例第10号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。